原油5月もの先物価格がマイナスとなったことはニュースで皆様御存知のとおりです。
先物価格マイナスについては、いろいろなところで解説されているのですが、
改めて書きたいと思います。
先物とは?
そもそも、先物とは何か?ということですが、お米で例えてみます。
今はとある国のエド時代。(なお、これからの話しは作り話ですので)
農家側の視点
とある農家の方が、お米を作って売っておりました。
春に田植えをして、夏に成長して、秋に収穫、そして、市場に持っていって売る。
そして、売ったお金で生活する。
ということをしていました。
農家の方が困っていたことがありました。それは・・・
秋に収穫後、市場に持っていっていくらで売れるのだろうか・・・?
「価格が安すぎると、生活できない・・・」
「台風などで全滅しないだろうか・・・」
などなど
つまり、作ってみないと、全くわからないという問題です。
お米を作る時点で、買ってくれることを確約してくれる方がいればいいな・・・
お米問屋の視点
お米が台風などでやられてしまって、秋になって高くなっても困るなぁ
春のうちに、秋に買うことを確約できないだろうか・・・
先に売買をしてしまう。
お互いのメリットが一致しました。
つまり、お米ができる前に、農家側はお米を売ることを約束し、
お米問屋はお米を買うことを約束するのです。
もちろん、価格は春のうちのに決めてしまいます。
そして、秋になったら、決められた期日に決められた価格で売買することになります。
つまり、期日に農家はお米を渡し、
問屋さんは、お金を農家に渡す。
これがざっくりとなりますが、先物取引となります。
メリットとデメリット
メリットとしては、先に売買してしまうので、農家は安心ですが、
もし、秋にお米の価格が上がってしまっても、農家はその価格では売ることは出来ないので、もっと高く売れたのになぁ・・・なんてことにもなるかもしません。
また、問屋さんのほうも、秋になったら豊作でいっぱい取れて価格が安くなったとしても、春に決めた価格で買わなければならないので、高く買うことになってしまったなぁ・・・と思うでしょうね。
ということで、問屋さんはお米を買う権利を売りたいなぁなんて思ったかもしれません。
農家の方も、
じゃあ、エド幕府は、実際のお米を売買するところとは別に「お米を買う権利を売買できる市場を作ろう!」ってことで、取引市場を作りました。
これが、商品先物取引市場ということですね。
よって、商品先物取引市場では、最後に商品を受け渡します。(満期日)
農家は、お米を市場に持ってきます。お米は市場にある蔵に入れておきます。
そして、問屋さんは、お米を取りに行きます。
(今回の原油価格がマイナスになったのはここが重要。)
お米が取れすぎたー
さて、ある年、ものすごい豊作となってしまい、お米が取れすぎました。
米の価格は暴落。
さらに満期日までにお米を持ってくる人が増えすぎて、市場にある蔵に保管ができなくなってしまいました。
しょうがないので、蔵を借りることにしましたが、レンタル料が高い!
レンタル料は保管料として上乗せされますが、誰が払うのかと言うと、農家の方。
すると、農家は、売って現金が入るかと思ったら、な、なんと、逆にバカ高い保管料が加算されてマイナスに・・・
問屋の方も、価格が暴落したので、もっと安く買えたのにとほほですね。
原油先物価格の原油
現物取引の場合は、お互いに物とお金を持っていって取引するので、現物の保管などという問題は発生しないのですが、先物取引の場合は、保管料が発生している場合があり、それが上乗せされています。
WTI原油は、保管料が乗っていますが、その価格は通常それほどではないです。また、限月が先に行けば行くほど、保管料が多く乗るため、価格が高めになっているそうです。
まとめ
こんなことがあるんですね。
しばらく、不安定な動きなるかもです。
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